名古屋市緑区の皮膚科、美容皮膚科

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尋常性乾癬

爪の変形や関節炎を伴うこともあります

炎症性角化症の1つに分類され、浸潤を触れる境界明瞭な赤みの上に、厚くフケのような皮めくれができる疾患です。
症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら慢性に経過します。全身どこにでもできますが、肘や膝など力がかかりやすい場所や体幹・腰・両下腿などに好発します。原因はまだ完全には明らかになっていませんが、乾癬になりやすい遺伝的素因があることが分かっています。遺伝的素因に様々な環境因子(不規則な生活、食事、ストレス、肥満、感染症、薬剤)などが加わることで発症するといわれています。

治療方法

尋常性乾癬の治療は外用療法が中心となります。紫外線治療を併用すると効果的です。
中等症~重症例では、外用療法に加え、紫外線療法、内服療法、生物学的製剤などの全身療法が併用されます。

外用療法

ステロイド外用

皮膚の炎症を抑え、赤み、はれ、かゆみなどの症状を改善します。

活性型ビタミンD3
外用薬

表皮角化細胞の増殖を抑制し、表皮肥厚を改善する作用があります。

ステロイド・活性型
ビタミンD3配合
外用薬

化学的に安定な配合がされており、1日1回の塗布で速やかに症状を改善します。

紫外線療法

紫外線が持つ「免疫の働きを調節する作用」を活用します。
当院では「エクシス308」という先端の中波紫外線治療器:エキシマライトを採用しています。有害な紫外線波長をカットし、治療に有効な308nmのみを患部だけに安全かつ効率的に照射することが可能です。

内服療法

患部が広い場合や、皮膚症状が強く、外用療法で十分な効果が得られなかった場合に行います。

アプレミラスト(オテズラ)

PDE4という酵素を阻害することにより炎症を抑え、症状を緩和します。
オテズラは、正常な免疫細胞の機能に影響を及ぼす可能性が低く副作用が少ないとされています。紫外線療法との併用も有効です。

レチノイド(チガソン)

ビタミンA誘導体で、皮膚の新陳代謝を調節し、表皮の過剰な増殖を抑える働きがあります。催奇形性があるため、服用中だけでなく服用中止後も、男性は6ヶ月、女性は2年の避妊が必要です。

メトトレキセート

難治性乾癬、特に関節症性乾癬に用いられます。

シクロスポリン(ネオーラル)

過剰な免疫作用を抑える働きがあります。副作用として血圧上昇や腎機能障害、多毛などの副作用が起きることがあるため、服用中は定期的な血圧測定と血液検査を行います。

生物学的製剤

重症の方や、関節症性乾癬などが対象となり、
各都道府県の指定病院で治療が可能です。
対象となる方は指定病院へ紹介させていただきます。