わたしの愛犬チョコです
確かに、生野菜や果物などビタミンの含まれる物を食べていなくても元気ですものね。
うらやましい
ビタミンCを作れる動物は、犬、猫の他に鳥、マウスなどで、ブドウ糖からビタミンCを生合成できます。
ビタミンCを作れない動物は、わたし達人間の他、猿、モルモットなどで、進化の過程で、ビタミンCを生成する酵素がなくなってしまったと言われています。
そのため、食事から意識的に摂取しなければなりません。
ビタミンCの働きと欠乏症
口から摂取したビタミンCは、それぞれの臓器に届くまでの時間が違い、皮膚へ届くのは6時間後がピークです。
臓器の中でも副腎と下垂体への分布が多く、副腎でアドレナリンが合成されるときにビタミンCが必要であり、ビタミンCが減るとうつ傾向にもなるといわれる所以です。
ビタミンCの1番の機能として、活性酸素(ROS)を消去する能力があります。
活性酸素は、DNAやタンパク質、脂質を酸化修飾して細胞障害を起こし、老化や癌などの疾患の発生へとつながります。
マウスの実験で、ビタミンCが不足したマウスが、若いうちから難聴になったり、白内障になったりしやすいこともわかっています。
ビタミンCを摂取することで、がんや動脈硬化の予防、老化予防などの効果があるということが近年とても注目されています。
第2に、コラーゲンの生成にはビタミンCが必要です。
骨の20%(軟骨の50%)は、コラーゲンでできています。歯・軟骨を正常に保つことができます。
ビタミンCが不足し、このコラーゲン合成ができなくなると、血管がもろくなり出血を起こします。これが壊血病です。
皮膚におけるビタミンCの働き
皮膚でもコラーゲンの生成がきちんとできると、ハリのあるキメの細かい肌になります。
ビタミンCは少ないと、表皮での異常なDNAメチル化がおき、しみやしわが増えます。また、表皮が薄くなるということも研究の結果わかっています。
食事からのビタミンC摂取
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)でビタミンCの食事摂取基準は、成人(15歳以上)における推奨量が100mgと定められています。
ところが、厚生労働省の国民健康・栄養調査(平成30年)では1人1日あたりビタミンC摂取量は、20歳で75mg、40歳で73mg、60歳で111mgでした。若い人ほど足りていないのです。
壊血病を予防するだけならば、毎日ビタミンCを10mg程度摂取すれば十分ですが、心臓血管系の疾病予防効果や抗酸化作用を期待して、推奨量は高く設定されています。
1日に必要なビタミンC100mgを摂るには
レモン果汁5個分
キウイフルーツ1個
みかん4個
いちご10粒
赤ピーマン1個
ブロッコリー0.5株
ミニトマト20個 など。
みなさん、これだけの量食べれていますか?
一度にたくさん食べればいいの?
ビタミンCはビタミンとしては例外で、食事から摂取したものも、いわゆるサプリメントから摂取したものも、その相対的利用率に差異はなく、吸収率は200mg/日までは90%と高く、1g/日以上になると50%以下となります。
つまりたくさん食べると吸収率が落ちていくので、食べれば食べるほど体内に取り込まれるというわけではないのです。
また、ビタミンCは水溶性ビタミンで体内に蓄積されず、一度に多く摂取しても数時間(だいたい6時間1)で尿中に排出されてしまいます。
1日の中で朝・昼・晩3回に分けて適量を摂取する方が良いです。
高齢者は若い人よりも必要血中濃度に達しにくいために、若い人よりも必要な摂取量は多くなります。
また喫煙者は非喫煙者よりもビタミンCの必要量が高くなりますし、風邪を引いたとき、妊娠したときにも必要量は少し多くなります。
高濃度ビタミンC点滴療法
通常は、毎日バランスの良い食事をとることで、1日のビタミンC必要量はまかなえます。
ただ、ビタミンCの摂取量を高め、その働きに期待しようとすると点滴投与が有効と考えられています。
高濃度ビタミンC点滴はビタミンC含有量25g〜100gです。
ビタミンC25gとはレモン1250個分です。
この超大量のビタミンCを経静脈的に投与すると、ビタミンCの血中濃度が高くなりビタミンCの働きが高まります。
口からの摂取ではこれだけのビタミンCを摂取することは困難です。
「あすか皮フ科クリニック」でも、高濃度ビタミンC点滴を導入する予定です
個室でテレビを見ながらふかふか椅子でゆっくりできる点滴ルームが2つあります。
健康のために、お肌のために、ビタミン点滴にいらしてくださいね
(ただし、高濃度ビタミンC点滴は自費診療となります。)