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アトピー性皮膚炎の注射薬「デュピクセント 」💉

2020年11月7日

日々、小児から成人、また軽症から重症の方まで、アトピー性皮膚炎の患者さまの治療にたずさわっています。

中等症、重症のアトピー性皮膚炎の患者さまには、「デュピクセント 」という画期的な注射薬や、免疫抑制剤「ネオーラル(シクロスポリン)」などの処方により、難治な皮疹もコントロールさせていただいています

このデュピクセント の自己注射用製剤が、使いやすいペン型になり、もうすぐ発売されます


アトピー性皮膚炎の治療には、
1:保湿によるスキンケア
2:外用薬(ステロイド外用、プロトピック外用、コレクチム軟膏外用)
3:抗ヒスタミン薬内服
4:光線療法
5:ステロイド内服
6:シクロスポリン内服
7:デュピクセント 注射
8:入院加療
   などがあります。

あすか皮フ科クリニックでは上記の1〜7まで全てに対応します


まず、軽症から重症までの治療に通じていえるのは、

 バリア機能の回復(保湿剤、スキンケア)

 炎症を抑える  (ステロイド外用、プロトピック外用、コレクチム軟膏外用)

 悪化因子の除去 (環境アレルゲン、食物アレルゲンなど) 
が基本となります。

このどれもおろそかにはできません

 

しかしこの基本的な治療をしっかり行ってもなかなか症状改善に至らない中等症、重症の患者さまもいらっしゃいます。

特に成人において顔の紅斑がなかなかひかず、人目が気になってストレスを感じている、全身のかゆみで何事にも集中できないという方もいらっしゃいます。

6ヶ月以上既存の治療で効果が不十分、15歳以上、中等症以上(皮疹スコアが一定基準以上)の患者さま、定期的な通院ができる方、外用治療も併用できる方に、「デュピクセント 」や「シクロスポリン(ネオーラル)」を導入しています。

 

アトピー性皮膚炎の病態は、

 皮膚バリア機能障害

 Type2炎症

 かゆみ

この3つが三位一体に関係しあっています。 

 

Type2炎症とは、

免疫については複数の因子がかなり複雑に関与していて簡単に説明するのは難しいのですが
アトピー性皮膚炎を引き起こす主役は、Type2というリンパ球です。

このType2リンパ球から分泌されるIL-4、IL-13、IL-5、IL-31などのサイトカイン(免疫細胞から分泌され細胞間の情報伝達を担うタンパク質)皮膚のバリア機能の低下炎症の促進を引き起こし、アトピー性皮膚炎の病態を作っていると言われています。

 

デュピクセント とは

2018年に「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」に対して保険適応となった注射薬です。

炎症を引き起こす物質「IL-4」と「IL-13」によるシグナル伝達を阻害してType2炎症反応を抑制する生物学的製剤です。

投与開始4ヶ月後に約80%の方が5割改善、約40%が9割改善しているといわれています。

わたしが日々治療にあたっている患者さまの中でも、皮疹の劇的な改善を認める方もいらっしゃいます

「何十年もかゆみと赤みと付き合ってきたけれど、注射2回目で、すっとかゆみがなくなり本当に生活が楽になりました。本当に嬉しいです。」と心からお喜びになる患者さまもいます。

副作用として、アレルギー性結膜炎が数%に出ることがあります。

わたしが治療している患者さまでこのアレルギー性結膜炎の症状が出た方もいらっしゃいますが、体全体の皮疹はクリアになり効果があるため、結膜炎の治療をしながら投与を続けている方もいます。

 

保険適応の薬剤ですが、高価な薬剤となります。

保険3割負担の方で、薬剤費が約20,000円です。
2週間ごとに皮下注射をしていくので、3割負担の方は1ヶ月あたり約40,000円かかります。
ペン型になると少し薬価が変わると思われます。

ただし、高額療養費制度というものがあり、年齢・年収・加入している健康保険組合により異なりますが、自己負担額の上限以上は補助を受けられます。
自宅での自己注射ができそうな方には、自己注射指導をさせていただきます。
自己注射製剤を長期処方すると、この高額療養費制度による補助のおかげで1ヶ月あたりの負担額が抑えられることになります。
さらに、ある特定の企業にお勤めの方では、企業の健康保険組合による付加給付制度により自己負担額はこれより低額におさえられることがあります。

これらの費用負担についてはクリニックで詳しくご説明します

 

シクロスポリン(ネオーラル)とは

中等症以上の患者さまに使用する免疫抑制剤内服薬です。

皮膚疾患では他に尋常性乾癬の患者さまの治療にも使用します。

適応にはやはり慎重な判断がいりますし、血圧管理や腎機能障害のチェックなどが必要なため、定期的に受診ができる患者さまにのみ導入しています。

定期的な採血が必要で、シクロスポリンの血中濃度や、TARCといった指標を見ながら内服のコントロールをしています。


あすか皮フ科クリニックは、みなさまのお近くの「街のクリニック」ですが、最新で高度な治療を提供していきます