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エキシマライト✨アトピー・乾癬・白斑・円形脱毛症に

2020年12月20日

光線療法とは

紫外線は、アトピー性皮膚炎や乾癬などに対する光線療法に用いられ、皮膚科において数十年の歴史がある保険適応の治療法です。

週に1〜2回の通院が必要で、反応を見ながら照射量を調整していきます。

すでに、皮膚科でこの紫外線による光線療法を受けられている患者さまも多いですよね

さてこの紫外線、どのように効いているのでしょうか

少し専門的になりますが・・・

 

紫外線の働き

紫外線には、「免疫の働きを調節する作用」があります

アトピー性皮膚炎、乾癬、尋常性白斑、円形脱毛症などの皮膚疾患は、ある種のリンパ球が関与した自己免疫反応の一つであると考えられています。

例えば、円形脱毛症は毛髪を生成する毛母細胞が炎症細胞(T細胞:リンパ球の一種など)に特異的に攻撃された結果、脱毛します。

尋常性白斑は、色素を生成するメラノサイトが攻撃され色素を失いますが、真皮上層にリンパ球や組織球の浸潤が認められています。

 

紫外線を照射すると、この免疫反応に関わり悪さをするT細胞を直接的に自然死(アポトーシス)に誘導したり、この病因となっているT細胞を抑える働きをする制御性T細胞(Treg:Tレグ)を誘導したりすると考えられています。

Tregは、免疫系のブレーキ役として過剰反応を抑え、免疫機能を正常に保つために働く細胞です。

このT細胞のアポトーシスTregの誘導が、紫外線による主な免疫抑制作用で、過剰に免疫反応を起こしている病変部を沈静化させるのです

その他、表皮角化細胞やT細胞などからのサイトカイン産生抑制や、表皮ランゲルハンス細胞あるいは真皮樹状細胞への作用などもあります。

 

かゆみの抑制

重症のアトピー性皮膚炎や長期化して難治性となった慢性湿疹などでは頑固なかゆみに抗アレルギー剤の内服が効きにくくなってしまっています

かゆみを感じる知覚神経の神経線維が皮膚の表皮と真皮で増えるためです。

普通の皮膚では、神経線維は、表皮—真皮境界部のみに存在します。

ところが、重症のアトピー性皮膚炎や慢性湿疹では、かゆみで皮膚を掻き破ることを繰り返すことで、神経線維が表皮上層まで伸長して数が増えてしまいます。

これに乾燥、発汗、衣類の刺激などの外的刺激で神経が簡単に反応してしまい、強いかゆみを感じるのです

かゆみ→掻く→神経線維の増生→かゆみの増強→さらに掻きやぶる、の悪循環です。

紫外線はこの増生した神経線維を減らして、表皮の下層へ押し戻すという作用があります

少し専門的には・・・・

表皮内神経線維数の正常化、表皮ケラチノサイトにおける神経伸長因子(NGF)の発現抑制や、神経反発因子Sema3Aの発現の回復作用があることが明らかにされています。

紫外線照射によりかゆみが軽くなります

わたしの外来の患者さんも、適切な光線量に落ち着くと、皮疹の改善の前にまずはかゆみが楽になったとおっしゃる患者さまが多いです

保険適応になる疾患

アトピー性皮膚炎
尋常性乾癬
掌蹠膿疱症

尋常性白斑

慢性苔癬状粃糠疹(類乾癬)

円形脱毛症

菌状息肉症
悪性リンパ腫

なかなか治らない難治例に対し、ぬり薬に加えて光線療法を併用することで、治療効果をあげることができます

 

Exsys308(エクシス308)を導入します


あすくり
では、エキシマライトの『 Exsys308 』を導入します。

エキシマライトとは紫外線の中でも有害な波長を除き、治療に有効な308ナノメーターという波長を選択的に照射する治療です。


治療部分に数秒〜数十秒ずつ皮膚に照射していきます。

治療が非常に短時間ですみ、効果が高いことが特徴です

またこのExsys308の特徴は、照射面に石英クオーツチップという特殊な部品をつけて照射できることです。



これにより、局所に高出力のエキシマライトを減衰することなく届けることができます。

小さい範囲や、凹凸のある部位にも照射がしやすくなります

また白斑は口腔内にもできることがあり、クオーツチップは粘膜面にも照射できます。

目の周り、口の周り、手などよく動く部分ではなかなか治りにくいのですが、クオーツチップはこのような小さく凹凸のある部分にも照射しやすくなっています。

またそのほかにも様々な形状のアダプターが選択でき体の広い面積から小さい病変まで柔軟に照射できます

週に1回、毎週通院するのはなかなか大変なことだと思います

でも、どのように効いていくのか少しわかると、治療も頑張れますよね

一緒に治していきましょうね

 

 

補足 光線療法が有効な疾患別の解説

アトピー性皮膚炎

2020.11.07 のブログでもお話ししましたね。
【 https://asuka-hifuka.com/2020/11/07/アトピー性皮膚炎の注射薬「デュピクセント-」/
☝️ブログはこちら

アトピー性皮膚炎の病態にTリンパ球のうちTh2リンパ球というものが関与します。
紫外線照射により、Tリンパ球の自然死(アポトーシス)や制御性T細胞の誘導により症状改善へと導きます。

また乾燥肌や掻破によりかゆみの神経が角層直下まで伸びてきているため強いかゆみを感じていますが、紫外線照射によりそのかゆみが治まってきます。
光線療法により長期間の寛解が維持できるため、ステロイドの使用量を減らしていくことができます。

乾癬

乾癬の病態にも、Tリンパ球のうちTh17リンパ球というものが関与しています。
塗り薬だけでは治療効果が不十分な場合や、体表面積の10%以上の広い範囲に皮疹がある場合、また頭部や爪などの難治部位の治療に光線療法を併用すると治療効果が上がります。

尋常性白斑

色素を作る細胞であるメラノサイトが減少もしくは消失することで白斑が生じます。
光線療法により、毛穴の周囲から色素再生が進みます。

円形脱毛症

毛髪を生成する毛母細胞が炎症細胞(T細胞など)に特異的に攻撃された結果、脱毛します。
2020年4月より光線療法が保険適応となりました。