SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、今まで三重県と石川県を結ぶラインより西側でしか報告されていませんでした。
ついに愛知県でも発生しました


SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは・・・
SFTSの原因となるSFTSウィルスを持ったマダニに刺されて6日から2週間くらいしてから、高熱、下痢、嘔吐などの症状が現れます。
血液検査では、血小板や白血球が減少しています。
入院して全身管理をしないと命の危険もある注意すべき感染症です。
他にも、マダニは様々な病原体を保有していることがあり、様々な感染症を媒介します。

マダニは、林の中や河川敷、草むらに生息していて、吸血する相手が近づくのを待機しています。
ヒトや動物が近づくと、素早く体や衣服に飛び移り、吸血する場所を探します。
成虫で2〜8mmですが、吸血すると、1〜2cmくらいに大きくなります。


時々、腹部や鼠径部に急にほくろのようなものができたと言って来院される患者様がいます。
よく見ると、マダニだった


服を着ていても、脱ぐときにマダニが皮膚にくっつき吸血してしまうこともあるのです。
一度吸血し始めると、10〜14日くらい吸血し続け、満腹になると自然に脱落します。
このマダニを見つけたとき、慌てて引き抜いてはいけません

マダニは、皮膚の中に埋もれるようにして吸血しているため、刺されて3日以上すると、マダニの口器が周囲の皮膚組織と固く接着しているので、口器がちぎれて皮膚の中に残ってしまいます

すると、感染症のリスクが高まったり、異物肉芽種というできものを形成してしまうことになります。

マダニに刺されていると分かったとき、
皮膚科を受診してください

刺されて間もない場合は、マダニ除去器具で簡単に取ることができます

その後、拡大鏡で口器も除去できているか確認します。
口器が残存している場合、麻酔して皮膚の一部を切除し取り除きます。
マダニは、街中でも、犬の散歩中などで刺されることもあります。
草むらに近寄るときなど、虫除けスプレーや長袖長ズボンなどでの予防も大切です
