名古屋市緑区の皮膚科、美容皮膚科

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イソトレチノインの価格を改定します💊

ただいま、あすくりの施術全般的に価格の見直しを行なっております。
重症ニキビの内服薬「ロアキュタン」が世界的に供給不足であり、ジェネリックの「イソトレチノイン」を処方しておりますが、価格見直しをしました。

2022年 2/1〜
イソトレチノイン(アクネトレント)10mg  30日分
   18,700円 → 13,200円 
(税込)

イソトレチノイン(アクネトレント)20mg 30日分
   24,200円 → 19,800円 
(税込)

イソトレチノインは医薬品であり、危険な内服薬ではありません。
しかしその注意点がいろいろあるため、ただ処方するだけで、管理のできないクリニックでは処方してはいけないと考えています




重症ニキビの内服薬「イソトレチノイン」とは・・・

イソトレチノインはレチノイドとも言われるビタミンA類似薬です。
「ロアキュタン」や「アキュテイン」または「アクネトレント」という商品名で処方される内服薬です。
欧米では、嚢腫や結節などが多発する重症ニキビの治療薬としてその使用が勧められている内服薬ですが、日本では保険適応となっていません。
そのため、自費診療となります。

イソトレチノインは、嚢腫や硬結を伴う最重症ニキビには有効な治療であり、現在、日本でも、経口イソトレチノインの保険適応承認を求める動きがあります。

日本皮膚科学会日本臨床皮膚科医会の連名で、厚生労働大臣に承認申請の要望書が提出されているところです

副作用に注意して適切に使用すれば、強力に効くお薬です

アメリカのガイドラインでは、従来の治療に不応な重症のニキビに対して、
・内服抗菌薬と外用併用療法の組み合わせと、
・経口イソトレチノインを、
第一選択として推奨しています🇺🇸

また欧州のガイドラインでも、重症のニキビに対して経口イソトレチノインが強く推奨されています。近年問題となっている「抗生剤多用による耐性菌の発生」を抑えるためだとも言われています。


イソトレチノインの作用
皮脂腺細胞を萎縮させ、皮脂分泌量を減らす、という独特の作用があります。
ある論文では、皮脂産生量が93%減少したとされています。
他に、
毛包の角化異常を正常化させ、面ぽう形成を抑制する
抗炎症作用

こうした作用により、過去の海外の論文でも、95%程度の重症ニキビが改善したとされています。

しかし、そのように効果的な内服薬でも、日本では承認されていないのはなぜでしょう?

それは、経口イソトレチノインの副作用にあります。
最も注意すべき副作用は、催奇形性です。

催奇形性とは、服用中に妊娠した場合に赤ちゃんに影響があるということです。
内服中も内服中止後しばらくも、必ず避妊をしなくてはいけません。
女性は、内服する前1ヶ月〜中止後6ヶ月、
男性は内服開始〜中止後1ヶ月まで避妊をする必要があります。

また、うつの発症、高脂血症や肝機能障害にも注意しなくてはいけません。
その他、皮膚粘膜の乾燥症状なども現れます。

よって、厚生労働省からも、医師の処方箋または指示書に基づき必要な手続きを行わない限り、個人輸入することは禁じられています

クリニックでは、まずは従来の保険診療での治療を優先し、
それでも難治な重症ニキビの患者さまにのみ適応としています
また、ニキビのレーザー治療や、ケミカルピーリングなどが適している患者さまにはそちらをおすすめすることもあります。

治療開始前に、避妊やその他の注意点についてしっかりご説明し、理解していただいた上で同意書に署名、導入となります。

イソトレチノインは医薬品であり、危険な内服薬ではありません。
しかしその注意点がいろいろあるため、ただ処方するだけで、管理のできないクリニックでは処方してはいけないと考えています


避妊については、必要であれば経口避妊薬(ピル)の処方も行なっており、内服方法についてもご説明しております。
ただ処方するだけではなく、有害事象を防ぐための対策もしっかり行います


また、治療開始前に高脂血症や肝機能値異常がないか血液検査が必要であり、また、導入後も血液検査による副作用チェックも定期的に必要となります。

嚢腫や硬結を伴う最重症のニキビに有用な治療法ですが、安全性に十分注意した上での治療が重要です。
医師も、患者さまも慎重に判断する必要があります


当院でも、本当にその患者さまにとって必要な治療かどうか、また、定期的な血液検査で安全性を確認してからの処方となります。
必ずしも希望するみなさまに治療を行えるわけではありませんが、今までの治療でなかなか治らない重症ニキビさんは、一度ご相談ください