ところで、乾癬という病気をご存知ですか?
乾癬とは・・・
頭皮やひじ、ひざなど、外から刺激を受けやすい部位に、ゴワゴワする、赤い、銀白色のかさぶたのようなものがくっついてボロボロはがれる皮膚疾患です。
軽症の患者さまは、外用薬や内服などで治療を行います。
また、エキシマライトなどを併用することがあります💡
しかし、一部の患者さまでは、こうした治療では十分な効果が見られない方もいらっしゃいます。
また、乾癬性関節炎は関節破壊をきたしうるため、早期に分子標的薬を導入する必要があります⚠️
乾癬性関節炎(PsA)
乾癬という皮膚疾患に合併し、関節や腱付着部、指に炎症をきたす病気です。
乾癬の10〜15%に発症すると言われています。
症状は
乾癬はその他生活習慣病と関連するということも知られています。
問題なのは、乾癬性関節炎の症状は、進行すると、関節破壊を起こし、非可逆的だということなのです❗️
ですので、乾癬を発症している患者さまに、少しでも、関節炎を疑う症状があれば早めに強い治療(分子標的薬)で関節変形を抑えなければなりません❗️
皮膚症状に遅れて、関節炎が発症してくる場合が多いので、
それらを皮膚科医である私たちが早めに察知し、早めに対応できることが重要なのです👀
診察のたびに、関節やかかとが痛くないですか?とお聞きします。
関節炎を発症する患者さまの爪には点状に凹みが見られることがありますので、乾癬患者さまには必ず爪を見せていただいております🔎
分子標的薬の治療には慎重な管理が必要となるため、その導入は、日本皮膚科学会に承認された施設のみで開始することができます🏥
生物学的製剤はほとんどが注射製剤ですが、
TYK2阻害薬(ソーティクツ)という内服薬も承認施設でのみ処方できる薬剤となります💊
ソーティクツの特徴
ソーティクツ錠(デュークラバシチニブ)は世界初となる経口投与可能なチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害剤です。
「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症」の適応症を持つ
1日1回の飲み薬です。
ソーティクツ(TYK2阻害剤)
細胞内のTYK2という経路を阻害して細胞の活性化を抑える内服が2022年に認可されました。
16週間で乾癬が75%改善する確率は約8割、と高い効果が期待できます。
乾癬には、Ⅰ型IFN,IL-23,IL-17,TNFαと呼ばれる様々なサイトカイン(炎症性物質)が関与しています。
TYK2は、Ⅰ型IFN、IL-12,IL-23のサイトカイン受容体からの炎症シグナルを細胞核へ伝える役割を担っております。
TYK2を阻害することで、乾癬に関係するサイトカインを抑え、症状を改善させます。
ソーティクツについて、以前、全体ミーティングで勉強会もしました。
乾癬の症状の中で、
爪や頭皮の皮疹は、外用だけでは改善しにくい難治部位として知られています。
ソーティクツはこうした難治部位の皮疹にも効果があることが知られています。
なかなか治らない乾癬症状でお悩みの方は、ぜひご相談ください🏥