以前のブログでご紹介した、特発性慢性じんましんの新しい内服薬「ラプシド」
「発売されたらお知らせしますね」とお伝えしていましたが……
ついに、10月15日に発売となりました‼️


今回は、新しい治療薬「ラプシド」について、作用の仕組みや、これまでのお薬との違いをわかりやすくご紹介したいと思います☺️
そもそも、じんましんとは?

あちこち体が痒くなり、蚊に刺されたような赤い膨らみが突然できる「じんましん」。
皮膚の一部が突然腫れあがり、しばらくすると跡を残さず消えてしまうのが特徴です。
通常は数時間から24時間以内に消失しますが、これが繰り返し起こると、日常生活に大きな支障をきたします。
特発性慢性じんましんとは?
じんましんの症状が6週間以上続き、明らかな原因が特定できないものを「特発性慢性じんましん」と呼びます。
原因がわからないまま、毎日のように痒みや膨疹が出てしまうこともあります。
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夜、痒くて眠れない
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仕事や勉強に集中できない
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いつじんましんが出るか気になってしまう
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痒みが続いて精神的にもつらい
このように、じんましんは皮膚だけの問題ではなく、生活の質(QOL)を大きく低下させる病気です。

これまでの治療方法
💎まずは抗ヒスタミン薬の内服から治療を開始します。
💎十分な効果が得られない場合には、抗ヒスタミン薬の増量や変更、2種類の抗ヒスタミン薬の併用などを検討します。
💎それでも症状が十分に改善しない場合には、生物学的製剤による治療を検討します。
代表的なお薬が、
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ゾレア

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デュピクセント

そして今回、新たに加わったのが、内服薬のラプシドです✨
新薬「ラプシド」とは?
BTK阻害薬(ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬)という種類のお薬です。
1日2回の内服薬で、注射ではなく飲み薬で治療できることが特徴です。
では、どのようにしてじんましんを抑えるのでしょうか?

ラプシドの作用の仕組み
ポイントは、BTKという酵素をブロックすることです。
① 肥満細胞の中にあるBTKに作用する
じんましんの発症には、皮膚に存在する肥満細胞(マスト細胞)の活性化が深く関係しています。
肥満細胞には、細胞の中に刺激を伝える「BTK」という酵素があります。
通常、IgEなどを介した刺激が加わると、細胞内のシグナルが伝わり、肥満細胞が活性化します。
② 炎症物質の放出を抑える
肥満細胞が活性化すると、ヒスタミンをはじめとする炎症物質が放出されます。
これらが血管や神経に作用することで、赤み、膨らみ、痒みが生じます。
ラプシドはBTKの働きを阻害することで、肥満細胞などの活性化や脱顆粒を抑え、ヒスタミンなどの炎症物質が放出される過程を抑制します。
つまり、
肥満細胞が活性化する指令を、細胞の中でブロックするお薬なのです!
従来の抗ヒスタミン薬とは異なる、新しい作用機序のお薬です。

ラプシドの効果は?
海外および国際共同第Ⅲ相臨床試験(REMIX-1、REMIX-2)では、抗ヒスタミン薬を使用しても十分な効果が得られない特発性慢性じんましんの患者さんを対象に、有効性が検討されました。
国際共同第Ⅲ相試験(REMIX-1)では、
投与開始2週間後に、じんましんの活動性が良好な状態(UAS7≦6)に達した患者さんの割合は、
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ラプシド群:33.7%
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プラセボ群:3.3%
でした。
また、12週間後のじんましんの活動性スコアも、プラセボ群と比較して有意に改善しました。
早期から効果が期待できることも、注目したいポイントです💡💡💡
どのような患者さんが対象になるの?
ラプシドの適応は、
特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者さんに限る)
具体的には、
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抗ヒスタミン薬を増量しても改善しない
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抗ヒスタミン薬を変更・併用しても症状が続く
-
痒みや膨疹が繰り返し出現し、日常生活に支障がある
といった患者さんが対象となります。
通常、成人では1回25mgを1日2回内服します。

なお、ラプシドは抗ヒスタミン薬などに追加して使用するお薬です。
また、ゾレアやデュピクセントなどの適応疾患に対する生物学的製剤との併用は、安全性・有効性が確立していないため避けることとされています。
また、新薬はその発売から1年間は投薬制限がありますので、しばらくは2週間ごとの処方となります。
保険3割負担の方で、ラプシドのお薬代は2週間で約7,800円、その他に診察料などがかかります。
副作用や注意点は?
臨床試験および添付文書では、上気道感染や点状出血などが報告されています。
抗血栓薬を使用している方や、手術を予定している方、ほかのお薬を内服している方は、必ず医師にご相談ください。
どのお薬にも副作用や注意点がありますので、患者さんの状態を確認しながら治療を選択していきます。

じんましんを「仕方ない」と諦めていませんか?
じんましんが毎日のように出ていると、いつの間にかその状態に慣れてしまい、
「少し痒いけれど、こんなものかな」
「前から出ているし、完全に消えなくても仕方ないかな」
と、諦めてしまっている患者さんもいらっしゃいます。
でも、本来は痒みを気にせず眠れること、仕事や勉強に集中できること、好きなことを楽しめることが大切です。
2026年版の蕁麻疹診療ガイドラインでも、皮膚症状だけでなく、睡眠や労働生産性、学業、精神的な負担など、QOLの改善が重視されています。
治療の目標は、単に症状を少し軽くすることではありません。
じんましんをしっかりコントロールして、症状のない日常生活を取り戻すこと。
そのためには、患者さん一人ひとりに合った治療戦略が大切です。
新しい治療薬ラプシドも、その選択肢の一つとして期待しています✨✨✨
なかなかじんましんが治らず困っている方、今の治療で十分な効果が得られていない方は、ぜひ一度ご相談くださいね☺️🏥