重症の円形脱毛症の患者さまの治療に、新たな治療の選択肢、JAK阻害薬内服の【オルミエント】が2022年6月20日に適応追加になりました❗️
当院でも治療ができ、すでに導入を始める患者さまがいらっしゃいます。
JAK阻害薬は、これまでにも関節リウマチやアトピー性皮膚炎の治療に使用されている薬剤ですが、その導入や維持治療には慎重な管理が必要な薬剤です。
そのため、重症円形脱毛症に対するJAK阻害薬の導入には、治療責任者の医師が皮膚科診療経験年数が5年以上であることと、日本皮膚科学会に届出をする必要があります。
導入可能施設の申請をするには、皮膚科専門医であることが必要です。
皮膚科専門医のいるクリニックで治療をしましょう。
当院は、日本皮膚科学会に届出申請をし受理されております❗️
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オルミエントは、すでに、「関節リウマチ」や「アトピー性皮膚炎」の患者さまで使用されています。
また、「新型コロナウィルス感染症による肺炎」にも承認されています。
適応は、
①15歳以上
②症状が出始めて6ヶ月以上経過している方
③脱毛面積が頭部全体の50%以上の方
今まで外用やステロイド外用や局所注射、局所免疫療法などの色々な治療を行なってきても改善の乏しかった患者さまの症状も改善する可能性のある内服薬です✨
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円形脱毛症は、その名の通り、頭部に(通常は)円形の脱毛斑を生じる皮膚疾患です。
人口の1〜2%の方に発症すると推測されており、診療でよく治療に携わることが多い疾患です。
患者さんの1/4は15歳以下で始まり、小児にも多く見られます。
1箇所だけの単発型もありますが、2箇所以上の多発型の場合も多いです。
また、円形とは限らず、帯状に抜ける蛇行型や、頭全体の全頭型、全身の汎発型などの場合もあります。
治療は、
❶外用療法(ステロイド外用薬、フロジン)
❷局所免疫療法(SADBEなどでかぶれを起こす治療)
❸内服療法
❹注射療法(ステロイド局所注射、ステロイドパルス療法)
❺紫外線療法(エキシマライトなど)
あすくりでは以上のうち、(ステロイドパルス療法以外の)すべての治療を受けることができます。
しかし、これらの治療を行なっても改善の乏しい患者さまが一定数いらっしゃいます。
そこへ、JAK阻害薬内服の「オルミエント」が新たな治療の選択肢として加わりました。
円形脱毛症は、ストレスによるものと言われることが多いですが、ストレスはきっかけの一つに過ぎず、実際は、免疫の乱れによる自己免疫疾患と考えられています。
正常な場合、異物を攻撃する免疫細胞は、自分の毛根は攻撃しません。
しかし、円形脱毛症患者さんの毛根では、遺伝や感染などの何らかの誘因により、毛根への攻撃信号を伝えるサイトカイン(信号)が過剰に作られてしまっています。
このサイトカインが細胞にくっつくと、JAK(ジャック)というタンパク質を介して、信号が細胞核に伝えられます。
すると、免疫細胞が毛根を攻撃するようになり、毛の成長が阻害され、毛が抜けてしまいます。
オルミエントは、サイトカイン(信号)を毛包の細胞核に伝えるJAKにくっつき、信号が伝わらないようにします。
円形脱毛症の発症に関与するサイトカインの働きを抑えることで、免疫細胞による毛根への攻撃を抑えます。
⚠️結核の方、重篤な感染症にかかっている方、血液データ異常のある方、妊婦さんなどは治療導入ができません。
導入時に、血液検査や胸部レントゲン検査などが必要となります。
治験では、オルミエント4mgを9ヶ月内服した時、約35%の方が、脱毛面積20%以下になったという報告があります。
これまで既存の治療で改善のなかった方の約3割に、治療効果が出るということはすごいことです❗️
このように効果の高い治療薬ですが、まだ高額な薬剤でもあります。
導入初期は、保険3割負担の方で、1ヶ月に44,270円くらいかかりますが、高額療養費制度が適応となると、年収にもよりますが、10ヶ月目くらいからは3割負担の方で1ヶ月約15,000円の負担額となる可能性もあります。
詳しくは診療にてご説明します。
難治性重症円形脱毛症でお悩みの患者さまは、ぜひご相談ください🏥