春から初夏になり、虫さされなどのご相談も増えてきました🐝
山や川に行かなくても、お散歩中に草むらのそばを通るだけでも、虫はわたしたちを狙っています😵
そんな中でも特に気をつけたいのが、マダニ
先日、マダニに咬まれた患者さまが、自分で引きちぎったマダニをケースに入れて持っていらっしゃいました。
このマダニ、結構動きが素早いんです❗️
カップの中で、あちこち動き回っていました💨
マダニは、冬には土の中に生息し、4月〜10月ごろに草むらなどで活動します。
血液を吸うために、近くを通った人やペットに付着します。
黒いホクロのような点に見えるので、「急にほくろができた」と思っていたら、実はマダニだった❗️ということがよくあります。
吸血して、大きく膨らんでやっと気づかれることも多々あります。
びっくりして、引きちぎってしまうことがあるのですが、マダニの体内にウィルスが存在した場合、色々な感染症を発症するリスクが高くなるので、引きちぎらずに、あわてずに、そのままの状態で皮膚科に受診しましょう🏥
先日、愛知県内で3例目(豊田市では初)のマダニ刺症によるSFTSの症例が報告されたと報道されていましたね📺
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、愛知県では2021年に初めて報告されましたが、近年、徐々にその数が増えつつあります
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは・・・
SFTSの原因となるSFTSウィルスを持ったマダニに刺されて6日から2週間くらいしてから、高熱、下痢、嘔吐などの症状が現れます。
血液検査では、血小板や白血球が減少しています。
入院して全身管理をしないと命の危険もある注意すべき感染症です。
他にも、マダニは様々な病原体を保有していることがあり、様々な感染症を媒介します。
マダニは、林の中や河川敷、草むらに生息していて、吸血する相手が近づくのを待機しています。
ヒトや動物が近づくと、素早く体や衣服に飛び移り、吸血する場所を探します。
成虫で2〜8mmですが、吸血すると、1〜2cmくらいに大きくなります。
時々、腹部や鼠径部に急にほくろのようなものができたと言って来院される患者様がいます。
よく見ると、マダニだったということもあります。
服を着ていても、脱ぐときにマダニが皮膚にくっつき吸血してしまうこともあるのです。
一度吸血し始めると、10〜14日くらい吸血し続け、満腹になると自然に脱落します。
このマダニを見つけたとき、慌てて引き抜いてはいけません
マダニは、皮膚の中に埋もれるようにして吸血しているため、刺されて3日以上すると、マダニの口器が周囲の皮膚組織と固く接着しているので、口器がちぎれて皮膚の中に残ってしまいます
すると、感染症のリスクが高まったり、異物肉芽種というできものを形成してしまうことになります。
マダニに刺されていると分かったとき、皮膚科を受診してください
刺されて間もない場合は、マダニ除去器具で簡単に取ることができます
その後、拡大鏡で口器も除去できているか確認します。
口器が残存している場合、麻酔して皮膚の一部を切除し取り除きます。
マダニは、街中でも、犬の散歩中などで刺されることもあります。
草むらに近寄るときなど、虫除けスプレーや長袖長ズボンなどでの予防も大切です