名古屋市緑区の皮膚科、美容皮膚科

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アトピー性皮膚炎治療薬💊オルミエント講演会に参加しました💻

ゴールデンウィークのお休みに入る前に、しっかりお仕事もしましたよ✊



4月27日の土曜日診療後、名古屋駅まで移動し、WEBセミナーに参加🚗

今、アトピー性皮膚炎の治療が目まぐるしい勢いで進歩しています。
中等症、重症アトピー性皮膚炎の皮疹を劇的に改善することができる、生物学的製剤(デュピクセント、イブグリース、アドトラーザ、ミチーガ)やJAK阻害薬(オルミエント、サイバインコ、リンヴォック)など、当院でも数多くの患者さまに使用させていただいております。
その中の一つ、オルミエントについての講演会です。






左から
わたし
あつた皮ふ科クリニックの佐々木先生
かすがい皮膚科の春日井先生
ぎなん皮ふ科クリニックの伊藤先生


愛知県、岐阜県で、アトピー性皮膚炎治療を積極的に行っている先生方とディスカッションをし、
東海エリアの先生方に向けてWEB配信をするという形式です💻




配信会場はこんな雰囲気で、先生方のお顔を見ながら会話形式でお話をします。


🍀まず初めに、春日井先生のご講演があり拝聴させていただきました。
どのような患者さまにオルミエントを投与するのが適切か文献のご提示をされ、アトピー性皮膚炎の治療戦略について分かりやすくお話しいただきました。
また症例をいくつか供覧していただき勉強になりました。

特に、まず少量を短期間使用してみる、という方針がとても参考になりました✨



🍀ディスカッションパートでは、司会の佐々木先生が色々ご質問してくださいます。



オルミエントはどのような患者さまに投与しているのか、
生物学的製剤とJAK阻害薬をどのように使い分けたらいいと考えているのか、
事前検査で胸部レントゲン撮影が必須だがクリニックでどのように検査依頼をしているのか、
オルミエント導入のIC(患者さまへの説明)をどのように行なっているのか、
私の診療経験をお話しさせていただきました💡





司会の佐々木先生の穏やかな雰囲気で終始和やかに皆さんとディスカッションをこなすことができました。
パネリストの先生方のご意見もとても参考になり、本当に勉強になりました。

まだJAK阻害薬を使用したことがない先生方に、今回のWEBセミナーが少しでもお役に立てていれば幸いです✨



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オルミエントは、

内服方法:1日1回内服(2〜4mg)

保険3割負担の場合の自己負担金額
4mgを連日内服で、1ヶ月約37630円

2mgを連日内服で1ヶ月約19320円  

ですが、毎月それだけの薬剤費がかかることに懸念される場合があります。

内服してみると、どれだけ痒みが楽になるか、まず、2週間だけ2mgをお試し内服するのであれば、
2週間で、 9660円 (保険3割負担の場合)です。

ちょっと高いかもしれないけれど、2週間だけなら試してみることができる、という方もいらっしゃるかもしれませんね😌





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オルミエントは、

❶ アトピー性皮膚炎

❷ 円形脱毛症
❸ 関節リウマチ
❹ SARS-CoV-2(新型コロナウィルス感染症)による肺炎
に適応の通っている内服薬です。



皮膚科では、上記のうち、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症の難治例に使用します。
当院でも、すでに多くの方に『オルミエント』を導入しています💊




アトピー性皮膚炎に対するオルミエント導入基準は
2歳以上 (2024年3月より2歳以上から使用できるようになりました!)
②既存の治療で効果不十分な中等症〜重症のアトピー性皮膚炎患者
③EASIスコア16以上 など


円形脱毛症に対するオルミエント導入基準は、
①15歳以上
②症状が出始めて6ヶ月以上経過している方
③脱毛面積が頭部全体の50%以上の方





オルミエント」は、これまでのかゆみ止めなどの飲み薬とは異なる作用を持つ、アトピー性皮膚炎の内服薬です。

もともと、2017年より関節リウマチの治療薬として使用されてきた内服薬ですが、
2020年12月よりアトピー性皮膚炎にも保険適応となりました。

 

アトピー性皮膚炎には、インターロイキン(IL-4、IL-13、IL-31)などのサイトカインが関与しています。

サイトカインとは、細胞から細胞へ情報を伝達する物質で、信号のような役目をするタンパク質です

何らかの原因で過剰に増えてしまうと、炎症やアレルギー症状などを引き起こします

アトピー性皮膚炎患者さんの体内ではこれらのサイトカインが過剰に作られ、かゆみに関わる細胞の表面にある受容体にくっつくと、さらにかゆみに関与するサイトカインが過剰に作られて、症状が悪化していきます


オルミエントは、サイトカインが受容体に結合した後、細胞内の核へ信号が伝わる経路の一つ、
「JAK—STAT経路」をブロックすることで炎症やかゆみを引き起こす信号が伝わらなくなります。

よって、かゆみや赤みなどの症状が改善されていくのです


 

 

事前に結核などの感染症がないか、服用開始後も新たな感染症がないかどうかを定期的に検査、観察する必要があります。

血液検査やレントゲンなどの検査が必要となりますので、事前検査は近隣の病院に依頼することとなります

 

内服方法:1日1回内服(2〜4mg)

保険3割負担の場合の自己負担金額
4mgを連日内服で、1ヶ月約37630円

2mgを連日内服で1ヶ月約19320円

デュピクセント 同様に、勤務先によっては付加給付制度による補助を受けられたり、収入によって高額療養費制度が適応となったりする場合があります




 

👇オルミエントについての過去のブログはこちら
https://asuka-hifuka.com/2022/07/18/難治な重症円形脱毛症にオルミエント💊当院で/


https://asuka-hifuka.com/2021/04/25/臨床皮膚科医会総会💻アトピー性皮膚炎の新規/



当院で治療が可能です。
ぜひご相談くださいね🏥