名古屋市緑区の皮膚科、美容皮膚科

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50歳を過ぎたら帯状疱疹ワクチンを💉名古屋市の接種費用助成と国の定期接種について

最近、このようなCMをよく見かけますね👀




令和7年4月1日から帯状疱疹予防接種が定期接種となりました。





定期予防接種は当該年度に65歳になる方が対象となります💡
5年間の経過措置として当該年度に70、75、80、85、90、95、100歳となる方も対象となります。
また、令和7年度に限り、100歳以上の方も対象となります。

これにより、どの地域にお住まいの方でも65歳になれば、定期接種で、接種費用の一部が公費負担となりました。



このCMなどの影響で、クリニックでも、帯状疱疹ワクチンについてのお問い合わせが増えています👩‍⚕️
65歳にならないと帯状疱疹ワクチン受けられないんですか?と聞かれることがありますが、実はちょっと違います・・・・



名古屋市にお住まいの方であれば、65歳にならなくても、
50歳未満の方は全額自己負担で、
50歳以上の方であれば、名古屋市独自の費用助成制度により半額の自己負担額で接種を受けられることをご存知ですか?



名古屋市に住民票のある50歳以上の方は、名古屋市から半額相当の助成が受けられます。

全国でも名古屋市が先駆けて、令和2年3月よりこの助成事業が始まりました✨✨✨



定期接種の対象(65歳:経過措置 5年間は、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳も:令和7年度は100歳以上)ではない方で、名古屋市在住の50歳以上の方が対象となります。


自己負担金は定期予防接種、任意予防接種とも同額で、
1回接種のものが4,200円、
2回接種のものが21,600円(1回当たり10,800円)となっております。

さらに、市民税非課税世帯、生活保護世帯の方は自己負担金免除となります。

名古屋市の公費助成についてはこちら⬇️
https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000124418.html


ただし、注意点として⚠️

公費負担を受けられる機会は生涯に一度だけです。
国の定期接種か、名古屋市の任意接種の費用助成か、どちらか選んで生涯に一度だけ‼️









ところで、なぜ今帯状疱疹の予防が必要なのか?


実はこの帯状疱疹、近年患者さんが増えているのです💡

💎宮崎スタディ💎

発症の増加を裏付ける代表的な研究に、「宮崎スタディ(宮崎県における帯状疱疹の疫学調査)」があります。

1997年から2020年にかけて宮崎県内の住民を対象に、帯状疱疹の年間発症率を長期的に追跡した研究です。






この調査では、1997年時点と比較して2020年には発症率が約1.8倍に増加していたことが明らかになっています。




注目すべきは、高齢者だけでなく20〜40代の発症率が急増している点です。

  • 2013年までは、若年層の発症率は約1.2倍程度の緩やかな増加でしたが、

  • 2014年以降、急激に上昇し、2020年には若年層での発症が約2.1倍にまで達しました。

 

1. 高齢化による免疫力の低下

加齢に伴って、免疫をつかさどる細胞や仕組みが弱くなります。
免疫が弱まると、神経に潜伏していたウイルスが再び動き出し、帯状疱疹として発症するリスクが上がります。

高齢化が急速に進む日本社会では、この免疫力の低下が患者数増加の大きな要因となっています。

2. 子どもへの水痘ワクチン接種の普及と「ブースター効果」の減少

2014年から、水ぼうそう(水痘)ワクチンは子どもへの定期接種になりました。
これにより子どもが水痘にかかることが減り、ウイルスとの自然な接触の機会が激減しました。

以前は、大人が子どもから水痘ウイルスに再び曝露されることで免疫が強化される「ブースター効果」が働いていましたが、これが失われたことで、大人の免疫がじわじわと低下しているのです。

このことが、若年〜中年層の帯状疱疹の増加にも関係している可能性があります。

3. ストレスや生活習慣による免疫力低下

現代人は、睡眠不足や慢性的なストレス、働きすぎなどで自律神経や免疫バランスが乱れやすくなっています。
こうした生活要因が、特に働き盛りの世代の帯状疱疹の発症リスクを高めています。


 

帯状疱疹とは

体や顔の片側の一部に、ピリピリとした痛みが現れ、その部分に赤みや水疱が出現します。

痛みは徐々に増していき、夜も眠れないほど激しい場合もあります



 

帯状疱疹の後遺症

皮膚の症状は、治療により1〜2週間ほどでかさぶたとなり治癒します。

しかし、皮膚の症状が治った後も、痛みが残ることがあります。

3ヶ月以上痛みが続くものを、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。

「刺すような痛み」「焼けるような痛み」が数年にわたって続くこともあります。

50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割がPHNになるといわれています。

神経痛は冷えると特にうずくので、これからの時期つらいですよね

痛みに対して複数の内服薬でコントロールしていきます💊

疼痛コントロールが難しい場合は、「神経ブロック」という治療が適していますので、ペインクリニックや麻酔科へ紹介させていただいています

 

その他の合併症にも注意が必要です


顔や頭部に出現すると、ひどい頭痛に悩まされることもあります

目や耳に帯状疱疹があらわれると、めまいや耳鳴りといった合併症が見られることがあります。

重症化すると、視力低下や失明、顔面神経麻痺など、重い後遺症が残る危険があります。

 

原因は?

小児期にかかった水ぼうそうのウィルスが原因です。

一度罹患すると、身体に潜伏感染します。



日本人成人の90%以上は、原因となるウィルスが体内に潜伏しているといわれています。



加齢などにより免疫力が低下することで発症します。

特に50歳代から発症率が高くなり、

80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。

そのほかに

疲労やストレスなども発症のきっかけになります。

また、糖尿病やがんなどの免疫力が低下する病気が原因になることもあります。





帯状疱疹ワクチンを打ちましょう!

帯状疱疹を発症すると痛みがつらいですし、後遺症を残さないためにも、ワクチン接種をお勧めします。

 

「帯状疱疹」ワクチンにより、

発症を予防できる

発症しても軽症ですむ

帯状疱疹後神経痛を予防できる

 

 

 

「帯状疱疹」ワクチンの種類

帯状疱疹のワクチンには2種類があります。

水痘ワクチン「ビケン」

これまで帯状疱疹予防のために接種されてきたワクチンは「水痘ワクチン」で、小児の水痘(水ぼうそう)発症予防のために用いられるものと同じワクチンでです。

生ワクチンでありウィルスを弱毒化したものなので、免疫抑制剤やステロイド内服中の方や妊婦さんには使用できません。

接種回数: 1回

接種方法:皮下注射

効果:帯状疱疹発症が、51.3%減少

免疫抑制患者への使用:不可
 (抗がん剤、免疫抑制剤使用している方、ステロイド内服中の方)

妊婦への使用:不可

助成を受ける場合の自己負担金

   医療機関で支払う金額)  1回 4,200円 
(  補助のない任意接種の場合
 1回 7,700円 )

 


シングリックス 

シングリックスは、帯状疱疹を予防するために独自に開発された世界初の組み換えサブユニットワクチンです

ウィルス表面タンパクの一部を抗原とした組み換えワクチンで、生ワクチンではないため、免疫抑制状態の患者さまにも投与できます

 


接種回数:2ヶ月間隔で2回
(遅くても6ヶ月以内に)

対象年齢:50歳以上の成人

接種方法:筋肉内注射

帯状疱疹に対する予防効果:

  50歳以上で97.2%

  70歳以上で90%

免疫抑制患者への使用:可

助成を受ける場合の自己負担金

 (医療機関で支払う金額)1回 10,800円 (2回接種で21,600円) 
  税込
補助のない任意接種の場合
 1回 22,000円(2回接種で44,000円) 

シングリックス は2回の接種が必要です

2回目は2ヶ月あけます。(遅くとも6ヶ月までには接種します)








帯状疱疹ワクチンはご予約での接種になります。

ご希望の方は、お問い合わせくださいね