名古屋市緑区の皮膚科、美容皮膚科

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腋窩多汗症の新薬💧ラピフォートワイプ👕

わき汗(原発性腋窩多汗症)の新しい外用薬が5月ごろに発売されます
保険適応のお薬です。




今日はそのラピフォートワイプについてのWEB講演会がありましたので拝聴しました
汗の研究でご高名な愛知医大の大嶋雄一郎先生のご講演でした。


汗を分泌する汗腺には、エクリン汗腺、アポクリン汗腺、アポエクリン汗腺があります。
多汗症患者さんでは、エクリン汗腺からの発汗が亢進しています


このエクリン汗腺は、交感神経からの神経伝達物質(アセチルコリン)が作用することによって発汗します。
温熱刺激や精神的に緊張したりすると汗が出るのは、この交感神経が関与しています。


日本人の100人中、10人が多汗症患者さんだといわれています。
そのうち、わき汗の原発性腋窩多汗症患者さんは100人中6人だそうです。

夏になると誰しも汗をかきますが、わき汗の量が通常より多い方では、勉強に集中できなかったり、仕事に集中できなかったり、生活に支障をきたす方もいらっしゃいますね
洋服の汗じみが気になったり、好きな洋服が着られなかったり、人と会うことを避けてしまう方もいらっしゃいます。


市販の制汗剤でしのいでいる方もいらっしゃると思いますが、ぜひ皮膚科に相談してください
いまは、保険で治療ができますよ



原発性腋窩多汗症とは・・・



2020年12月には保険適応のわき汗外用薬【エクロックゲル】が発売されました


そして、もうすぐ、5月ごろにシート状の外用薬【ラピフォートワイプ】が発売となります


ラピフォートの主成分:グリコピロニウムが、エクリン汗腺のムスカリンM3受容体に結合し、交感神経終末から放出されるアセチルコリンの働きをブロックします。

要するに・・・
汗を出しなさいね〜という信号は出てくるけど、お薬を外用すると、その信号の働きをブロックして、発汗を抑制するということです
作用機序はエクロックゲルと同じですね

このグリコピロニウムは、日本だけでなく海外の、国際多汗症協会ガイドラインでも治療の第1選択として推奨されています

わき汗でお悩みの患者さまにとって、治療の選択肢が増えることはとても嬉しいことです
発売日などが決まりましたらお知らせいたしますね。



また、外用剤を毎日塗布する方法のほか、一度でわき汗をピタッと止めたい!という方には、わきボトックスがオススメです

ボトックスにより交感神経終末からのアセチルコリンの放出そのものが抑制されます。

つまり・・・
汗を出しなさいね〜という信号自体が出なくなります


一度わきボトックスを打つと、半年くらいピタッとわき汗が止まるのでオススメです
わたしも、毎年、わきボトックスは欠かさず打っています💉
当院では自費治療となります。
わきボトックスは16歳以上の方にのみ適応としています。
(18歳未満の方は保護者の同意書署名が必要です。)



その他、多汗症の治療についての過去ブログはこちら
👇
https://asuka-hifuka.com/2020/10/11/皮膚科学会・中部支部✏%EF%B8%8Fわき汗の新しい外用薬/

https://asuka-hifuka.com/2021/07/18/手足多汗症に🙌🦶イオントフォレーシス/