クリニックには毎日、にきびでお悩みの患者さまがたくさんご来院されます
マスク生活が長くなり、マスクの影響で口まわりのにきびが悪化する方が多いですね😷
今回は、にきびに使う薬剤で「アゼライン酸」についてご紹介します
通常、にきびに保険診療で処方する外用薬は、
毛穴のつまりを取り除く、
過酸化ベンゾイル(べピオ、デュアック、エピデュオ)や
アダパレン(ディフェリン、エピデュオ)という外用薬と、
化膿した部分に外用する抗菌薬です。
日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡治療ガイドライン」では、
過酸化ベンゾイル、アダパレンなどによる治療の推奨度が高くなりますので、まずは保険診療でできる治療から行います
ただし、過酸化ベンゾイル(べピオ・デュアック・エピデュオ)は一部の方でかぶれを起こす方がいらっしゃいます。
また、アダパレン(ディフェリン・エピデュオ)は乾燥症状が出やすいため、続けにくいと感じる方も少なくありません。
乾燥が気になる場合は、塗り方の指導を丁寧に行ない、外用法を工夫しながら少しづつお肌に慣らしていけるようにするのですが、それでもどうしても刺激が強くて続けられない場合があります
そのような場合には、自費の外用薬になりますが、アゼライン酸(AZAクリア)を選択肢の一つとしてご紹介することがあります
アゼライン酸は、
小麦やライ麦などの穀類や酵母に含まれ、日常的に食事などで口にしている天然由来の酸で、安全性の高い成分です。
局所のセリンプロテアーゼを阻害します。
海外では、にきび治療薬として昔から使われており、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界80カ国でにきび治療用医薬品として承認され、約30年間使用されています。
また、にきび以外にも、酒さの治療や美白剤として使われることがあります。
しかし日本では医薬品として認められていませんので、自費診療となります
アゼライン酸の作用
角化異常抑制作用
角質が厚くなり、毛穴がふさがった状態を面ぽう(コメド)といいます。これがにきびの始まりです。このつまりを解消することでにきびができにくくなります
抗菌作用
にきび菌を殺菌することで、にきびを改善します
皮脂分泌抑制
にきびの原因の一つが皮脂の分泌です。皮脂の分泌を抑えることで、にきびの予防、にきびの悪化の予防の効果があります。
抗酸化作用
酸化を抑制することで、活性酸素を抑え炎症の悪化を抑えたり、皮脂の酸化を抑制したり、にきびの予防効果があります
メラニンの生成を抑える(美白作用)
メラニンの生成を抑えることで美白の作用もあります。
ニキビ跡の色素沈着にも効果があります
副作用
使い始め2週間以内に、軽度のかゆみ、紅斑、ピリッとした刺激感が出ることがあります。
保険適応がないため、自費での購入となります。
1本1980円(税込)
にきびの新生を抑えるためには、コメドをいかに減らすかということが重要です
過酸化ベンゾイル(べピオゲル、デュアックゲル、エピデュオ)やアダパレン(ディフェリン)が効果的ですが、保険適応の外用薬の他に、ケミカルピーリング、ピーリング石鹸(セルニュー、スキンピールバー)、アゼライン酸なども効果があります
また難治性にきびに対する内服薬、レーザー治療や、その他、ニキビ跡の赤みや凹みの治療、ビタミン点滴など幅広い治療法で、日々診療にあたっております。
ぜひご相談くださいね