名古屋市緑区の皮膚科、美容皮膚科

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講演をしました✨アトピー性皮膚炎

先日、「アトピー性皮膚炎の外用治療について」講演を行いました

アンテベート軟膏、コレクチム軟膏などを発売されている鳥居薬品さんよりご依頼いただき、
当院におけるアトピー性皮膚炎治療の実際の方法や、
外用アドヒアランスを高める診療のコツについてお話しさせていただきました☺️





当院には、軽症から重症まで多くのアトピー性皮膚炎患者さまがいらっしゃいます。
生物学的製剤やJAK阻害薬など中等症・重症の方への治療も多数行なっております。




しかし、軽症の方だけでなく、こうした全身療法の導入が必要な患者さまにも、徹底した外用療法がまず大事です。

アトピー性皮膚炎の治療アルゴリズムでは、
まず、本当にアトピー性皮膚炎なのか?(菌状息肉症や薬疹などではないか?)の診断が大事です。
その上で、軽症も重症もまず外用で寛解導入を目指します。




症状が重度で全身療法が必要そうに見えた患者さまでも、
徹底して外用方法を見直すことにより、外用だけで実はコントロールでき、
高額な治療薬を使用しなくてもよくなった患者さまもたくさんいらっしゃいます。



アトピー皮膚炎治療において外用をみなさん頑張っていらっしゃるのですが、なかなかコントロールできずに悩んでいらっしゃる方が大勢いらっしゃいます。

どうせステロイド塗っても治らなかったし・・・
塗って良くなってもすぐに痒くなるし・・・
と外用を諦めてしまう方も少なからずいらっしゃいます。

その問題点に、
① その外用剤の強さは適切であったか?
② その外用剤の量は適切であったか?
③ その外用の仕方が適切であったか?
④ その外用を塗る期間が適切であったか?
などが挙げられます。

症状が強い時にはやはりステロイドで早めに炎症をコントロールしなければなりません。

大火事がお肌の内部で起きているのに、コップ1杯の水で鎮火できるはずがありません
消火ホースで大火事を鎮めていき、
焚き火になってきたら、バケツの水で鎮火を目指し、
チョロ火になってきたら、コップ1杯の水で鎮火できますよね?



ステロイドはもちろん副作用もないわけではないので、
きちんとその強さを把握し、
皮膚のどの部位が薄いのか?吸収しやすのか?
私たち皮膚科医はわかっています。

 

その症状を鎮めるのに必要なランクのステロイドを使用し、淡い赤みにした上で、
以下のようなステロイドではない外用へ適宜変更しています。


これらの外用薬の使い分けを、どのように私が考えているのかについてお話しさせていただきました。


また、どんなに適切な外用を処方できたとしても、患者さまにそれを適切に使用していただかなければ最大の効果を出すことはできません。

それらを、どのように患者さまに説明しているのかについてもお話しさせていただきました。

毎回、患者さまには、1FTU(1 finger tip unit)の概念をしっかりお伝えします。

全身に保湿剤や外用薬を塗ると1回で20gが必要となる量です。
結構ベタベタに塗らないと、塗っていることにはならないのです


最初は2週間後に再診していただきますが、2週間後までに外用してきていただきたい量を伝え、全部使い切ってきていただきます。


患者さまは痒みに慣れてしまっていたり、ガサガサはただの乾燥だと思っていらっしゃるので、塗る範囲が狭いことが多いです。


下の図の真ん中の染色画像は、赤みがない部分の皮膚を検査して染めると、病変部位ではないけれど炎症細胞浸潤があるという図です。


要するに、赤くゴワゴワしていない部分にも広めに長めに外用する必要があります。


そして、いつまで塗るのか?については、
ゆっくり外用回数を減らしていく、ということが重要です。


診察で、どのように減らしていくかは、説明しております。



このように、私たち皮膚科医と患者さまが協力して初めて、皮膚の状態をうまく正常化していくことができます。


あすくりでの、治療の実際についていろいろお話しさせていただく良い機会をいただきまして、ありがとうございました☺️



また、10/29(火)には、さらに新しい外用薬「ブイタマークリーム」が発売となります✨





アトピー性皮膚炎と乾癬の、両方に適応のある外用薬です。



痒みを誘発したり、バリア機能を低下させる炎症性サイトカインの発現を抑え、
さらに、バリア機能を高めるフィラグリンやロリクリンの産生も高めるという作用もあり、とても期待のできる外用薬です。

これまで、ステロイドではない外用薬は軟膏タイプでベタベタしてしまうので塗りにくいというお声や、軟膏だとニキビが増えてしまうというお声もありました。
さらっとしたテクスチャーを希望する患者さまや、アトピー性皮膚炎とニキビが合併する患者さまにも、使いやすそうです。

診療でまたご紹介してきますね☘️








またまた余談で・・・・

夜は、情報交換会で、シチリア料理の「シクラメンテ」さんに伺いました
何度かお邪魔したことがありますが久しぶりにお邪魔できて嬉しかったです


魚介をふんだんに使ったお料理でどれもとっても美味しかったです







もう一つ余談で・・・
先日、素敵な集まりに参加させていただきました☺️

いろいろな皮膚科の先生方とお会いする機会があり、皆さまのお話を参考にさせていただいたりしています。
どの先生も優しくて素敵な先生ばかりです✨

左から
あつた皮膚科・美容皮膚科クリニックの佐々木先生
わたし
かすがい皮膚科の一葉先生
Platinum Yumi Kinoshitaの裕美先生
ごとう皮フ科クリニックの後藤先生

ありがとうございました