名古屋市緑区の皮膚科、美容皮膚科

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学会🖥日本臨床皮膚科医会

今日・明日と鹿児島で日本臨床皮膚科医会総会という学会が開催されています。


本日は、診療後にWEBで参加しました
(鹿児島に行ったことないので、本当は現地参加してみたかったです


(土曜日の診療は混み合いますので、診療後はちょっとボサボサ

今日は、6月に発売される新しいアトピー性皮膚炎の外用薬【モイゼルト軟膏】について、アトピー性皮膚炎治療におけるプロアクティブ療法についてや、難治性の痒疹治療などについてのご講演を拝聴しました
あすくりでも普段、診療でみなさまにお伝えしていることですが、知識の再確認です
いろいろな先生方の治療のコツをお聞きすることで得るものは多く、いつも積極的に学会に参加しています


プロアクティブ療法とは・・・
見た目に湿疹が無くなりきれいになったように見える皮膚も、実はその奥には
見えない軽微な炎症が残っていることがあります。
この状態で採血をすると、アトピー性皮膚炎の病勢を鋭敏に表すTARCという数値がまだ高いことがあります。
TARCが正常範囲内に下がりきる前に外用をやめてしまうと、バリア機能がまだ正常化していない皮膚ではまた痒みが出てきて湿疹を繰り返してしまいます。


(見た目の)湿疹が治ったら外用して、(見た目の)湿疹が治ったらやめて、また痒くなったら外用を始めて・・・を繰り返すことをリアクティブ療法と言います。
しかし、これではなかなか改善しません。


プロアクティブ療法とは
再燃を繰り返す皮疹に対して、急性期の治療によって寛解導入した後に、
保湿外用薬によるスキンケアに加え

ステロイド外用薬やプロトピック軟膏、コレクチム軟膏などを
塗る回数をゆっくり減らしていき、
間欠的に、週2回程度外用を継続し、

寛解状態を維持する治療法です。



これにより、ステロイド外用薬の長期連用による副作用を回避したり、皮膚の奥の方で残る潜在的な炎症をなくすことができたり、皮膚のバリア機能がしっかり改善していきます。

見た目に湿疹がない皮膚に、湿疹の外用を塗り続けることに抵抗がある方もいらっしゃいますが、目に見えていない皮下の炎症をしっかり治していくことがとても重要なのです

まずは皮疹ゼロを目指す
そのために、適切な外用薬で、適切な量を、適切な方法で外用することが大事です。
皮疹ゼロが達成できてから・・・・

ゆっくりステップダウン
外用量や回数をゆっくり減らします

寛解維持
ここからが忍耐です。
長期間湿疹を繰り返していた皮膚は、
きれいになっても、週に2回程度、外用を継続します

さらに詳しいプロアクティブ療法についての説明は過去ブログをご覧ください。
⬇️
https://asuka-hifuka.com/2020/11/08/アトピー性皮膚炎の外用薬とプロアクティブ療法/


これらは診療の中で適宜ご説明いたしますね

また、明日は朝8:30から学会参加の予定です