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酒さ治療薬:ロゼックスゲルが保険適応になりました‼️

酒さ(しゅさ)の治療薬【ロゼックスゲル】が、やっと保険適応になりました‼️
本日、5月27日より保険で処方可能となります💊





ロゼックスゲル(メトロニダゾール)は、すでに日本で【がん性皮膚潰瘍臭】に適応の通っている治療薬です。
【酒さ】に対しては、世界の標準治療薬で、欧米など80カ国以上において、すでに「酒さ、酒さに伴う炎症性皮疹」などを効能効果として承認されていますが、
日本では、酒さに対して保険適応がなく、ロゼックスゲルを保険で処方できないのが実状でした😥

あすくりでも【酒さ・酒さ様皮膚炎】の患者さまはとても多く、これまでは、皆様の症状をしっかり改善するために自費で処方させていただいておりました🏥
これまでの治療経験から、ロゼックスゲルは【酒さ・酒さ様皮膚炎】にとてもよく効く外用薬だと感じております✨
治療の際は、ミノマイシンなどの内服と併用します。

💎
ところで、【酒さ】という皮膚疾患を聞いたことはありますか?
それ何? お酒と関係あるの? 初めて聞いた👀👂
という方が多いかと思います。



酒さとは・・・
中高年の顔面にできやすい慢性の炎症性皮膚疾患です
特に、鼻や頬に症状が現れやすく、
1️⃣びまん性発赤、
2️⃣毛細血管拡張の持続
3️⃣ニキビ様の丘疹、膿疱
4️⃣ほてり
を繰り返し出現することを特徴とします。
眼にも症状が現れることがあります。
簡単に言うと、赤ら顔で、顔面にブツブツがある皮膚の病気のうちの一つです。

酒さと紛らわしい病気がいろいろあり、ニキビやかぶれ、脂漏性皮膚炎、膠原病(蝶形紅斑)、LMDF、光線過敏症などがあります。
日本では酒さの診断基準がなく、治療ガイドラインもないため、しっかり診断されていない場合がありますので、皮膚科専門医のいる皮膚科でしっかり診断をしてもらう必要があります💡


原因は?
酒さの原因ははっきりとわかっているわけではないですが、
遺伝的要因も関与し、自然免疫が亢進していると言われています。
(TLR2、NALP3や抗菌ペプチドのカテリシジン発現の亢進)
これにより、紫外線、アルコール、微生物、薬剤などの刺激を外部から受けることで炎症を起こしやすくなっています。
酒さの一部では、ニキビダニと呼ばれる「毛包虫」の関与も示唆されています。
毛包虫は、人の主に顔面の毛包に寄生するダニの一種でイモムシ状をしています。


また、ステロイドを長期間外用薬として使用していた時には、酒さに似た症状を呈する「酒さ様皮膚炎」が起こることが知られています🔎




ロゼックスゲルの作用機序
酒さ病変部において増加している活性酸素種の生成を抑制し、抗炎症作用を示します
また、免疫細胞によるTNF-αの産生や貪食細胞の免疫能などを抑制し、免疫抑制作用を示します


ロゼックスゲルの価格

今までは50gチューブだけでしたが、新たに15gチューブが発売されます。
15gチューブで薬価は1530円なので、3割負担の方で1本約460円ほどです。
1日2回外用し、2週間で15gチューブ1本を使用するのが目安です。


効果的なお薬が、保険適応になることで、患者様にしっかりした標準治療ができる様になることはとても嬉しいことです💕

赤ら顔や赤いブツブツでお悩みの方はもしかしたら「酒さ・酒さ様皮膚炎」かもしれません。
一度、皮膚科へ診察にいらしてくださいね🏥