名古屋市緑区の皮膚科、美容皮膚科

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区民健康講座🎤その② しみ治療

先日の、みどり区民健康講座で、後半は、
① しみの鑑別について
② 最新のしみ治療について
お話しさせていただきました☺️

講演の内容を、緑区医師会のInstagramでもご紹介いただきました✨✨✨










講演でお話しした内容や、当院で行なっているしみ治療のこと、ブログでもお伝えしますね☺️




みなさんが「しみを取りたいです〜」と言って診察にいらっしゃる場合、本来のしみ(老人性色素班)だけというのは一部で、以下のようなものが混ざっていることがよくあります。





上記のしみのタイプ別治療法を、一つずつご説明いたしました。



①まずはしみの中の「しみ」である老人性色素斑について。
内服・外用・レーザー治療・ケミカルピーリングなどの治療について。

そもそも、しみはなぜできるのか?そのメカニズムについて。
皮膚の老化の原因のうち加齢によるものは20%であり、80%は光老化だと言われています。
しみの発生には紫外線の中でもUVBが関与します。
UVBによりメラニンが過剰産生され、さらに加齢により皮膚のターンオーバーが長くなっていくと、メラニンを排出できなくなりしみとなっていきます。
しわの発生にはUVAや近赤外線などが関与します。
皮膚癌を防ぐだけではなく、皮膚老化を防ぐためにも紫外線対策はとても重要です☀️




②脂漏性角化症
 お顔や首、体にあるザラザラした、うつらないいぼです。
 しみと脂漏性角化症の鑑別にダーモスコピーを使用します。
 私たち皮膚科医がどのように診断しているのかについてご説明しました。
 当院では、顔・首の脂漏性角化症はCO2レーザーで治療しています。
 液体窒素より炎症後色素沈着が残りにくいため、患者さまからも定評のある治療です。



③雀卵斑
 遺伝性疾患であり、紫外線への感受性が高くなっています。
 IPLでもQスイッチレーザーやピコレーザーでもだいたい綺麗に取れます。
 が、すぐに再発もします。
 診察ではその点をしっかりご説明した上で、治療法を選択していきます。




④ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
 あまり聞きなれない疾患名かもしれませんが、診療していると、けっこうな割合でADMの患者さまがいらっしゃいます。
 灰色っぽいやや大きめの点状色素が両ほほにあるタイプや、目の下にクマ状に色素があるタイプ、パンダ目のように目の上下に色素があるタイプなどに分かれます。
 鼻翼に点状色素斑があったらADMのことが多いです。
 メラニンが深い真皮にあるため、レーザー治療でしか取れません。
 しかし、レーザー治療後にPIH(炎症後色素沈着)が必発であり、また、経過を見ながらレーザー治療を複数回繰り返す必要があります。
 それらの経過をお写真を提示しながらご説明致しました。



⑤肝斑
まず肝斑の病態についてご説明しました。
肝斑があると、強いレーザー治療ができません。
基本は、内服や外用薬による保存的治療が必要です。
また、こすりすぎによるスキンケア肝斑についても注意しなければなりません。



以上のように、みなさまが悩む茶色の色素斑が、果たしてどの疾患なのか?まずはしっかり正確に診断ができなければ、治療ができないのです。
まずは正確な診断が必要です🔎


そして、クイズタイム⏰
「しみ(老人性色素班)」とまぎらわしいものが、たくさんあります。
「しみ」といぼ(脂漏性角化症)
「しみ」とほくろ
ほくろと基底細胞癌
「しみ」と日光角化症
「しみ」と扁平苔癬様角化症
「しみ」と悪性黒色腫(メラノーマ)

いろいろなお写真を並べてお見せしながら、みなさまに、どちらが「しみ」でどちらが「しみではない」のか、クイズに答えていただきました。

そして、どの様に私たち皮膚科医が見分けているのか簡単にご説明しました🔎
それでも分かりにくいものが中にはあります。
その場合には皮膚生検という検査が必要です。
ですから、しみ取り・ほくろ取りは、皮膚科での診察・治療をオススメします✊

最後はしみ取りについて・・・



当院には、どんなお悩みにも対応できるように、数多くの治療機を保有しています。
その中で、しみ・いぼ・ほくろ治療に主に使用するのは、赤枠内の治療機です。




それらでの治療法の違いをご説明しました。

 


ピコレーザーでしみ取り放題したい!といらっしゃる方が多いですが、それが適応となるかどうかの問題もありますし、スポットであててカサブタにして取っても、一部しかきれいになりません。
一つの目立つしみを取っても、周りの小さなうすいしみやくすみが残ってくるので、お顔全体のお洗濯としては、ピコトーニングやレーザーフェイシャル、フォトフェイシャル(IPL)もとてもいい治療です。

また、レーザーやIPLを使用しなくても、外用剤でゆっくりお顔全体を均一にきれいにしていく方法も有効です。



ハイドロキノンやトレチノインを重ねて外用する方法ですが、それら単独で使用する方法を診察でご説明しています。
その中でも、ゼオスキン ヘルスのミラミン・ミラミックスを用いたセラピューティックはとてもいい治療です。

当院の患者さまでセラピューティックをされた方です📷
お写真提供をご快諾いただきありがとうございました💓




実は、真ん中のお写真は、しみ取り放題後です✨✨
目立つしみが取れていますね👀
しかし、UV画像で見ると、まだ、まだらにメラニンが残っています。
レーザーには限界があるので、うすいしみはメラニン量が少なくレーザーが吸収されにくいため反応せず、取り残しができてしまいます。

そこへセラピューティックを4ヶ月頑張っていくと・・・
一番右端のお写真のように、とってもきれいになります🌟
赤みは、セラピューティックが終われば落ち着いていきます。

その他の症例もみなさまに供覧させていただきました。


ただ、基本的に、くっきりはっきりした境界が明瞭な老人性色素斑で(肝斑を伴わないもの)は、
Qスイッチレーザーやピコレーザーでカサブタにしてとっていきます。



しかし、このしみ取り、奥が深いのです・・・・

しみ取りは、
カサブタが取れたあとの、炎症後色素沈着が起きる可能性があるのだと知って施術を受けなければなりません❗️
当院では、しみ取りをご希望の皆さまに、この点を何度もご説明しています。



ピコレーザーでは、レーザー照射後、しみの周りが3日くらい赤く腫れます。
赤みが引きながらカサブタのように茶色くなり、5日程度で膜状に剥がれていきます。
うすいカサブタが剥がれると、ピンク色のお肌が出てきます。

Qスイッチレーザーでもしみは取れます。
しかし、Qスイッチレーザーは光熱作用のため、ややメラニンの周りが大きく壊れるので、しっかりしたカサブタとなり、カサブタが剥がれるまで10日程度かかります。



上の図の、メラニン周りの空砲の大きさの違いが、カサブタの違いとなって現れ、カサブタが5日なのか10日くらいなのかの違いとなります。

カサブタが取れて、全部が全部、きれいにピンク色になり、肌色に落ち着いていけばいいのですが・・・
約20〜50%の確率で、色戻り(炎症後色素沈着:PIH)が起きるのです。
これは、ピコレーザーでも起きます。
もともとのスキンタイプや、肝斑を伴うか、しみの下に毛細血管拡張を伴っているか、レーザー前後の紫外線や摩擦の影響など、いろいろな要因が関与します。



ですから、しみ取り放題をご希望される患者さまで、PIHが出そうな患者さまにはお勧めしませんし、
リスクは少なそうに見えるお肌質の方にも、必ず、PIHが出ることがありますよとお伝えしています。
ただ、それも4〜6週間後がピークで、半年から1年もするとうすく消えていきますし、外用療法などでアフターケアをすると早く改善させることができます。
これらについては、毎回、診察で丁寧にご説明しております。

とはいえ、PIHは出るものだ!ではダメで、
いかに、このPIHを出しにくく、きれいにしみを取るか⁉️というのが私たち施術者の課題でもあります。

 

さてさて、Qスイッチレーザーよりピコレーザーの方が、カサブタの期間が短く、PIHの出現する確率が低いのですが、それは、ピコレーザーは熱作用が少なく、衝撃波でメラニンを壊せるからなのです。


 

 

けれども、ピコレーザーを強く当ててしまいますと、Qスイッチレーザーと同じく光熱作用も伴いPIHの確率は高くなるし、
PIHを恐れて弱く当てると、しみを取り残してしまいます。

そこで、今、新しい当て方として、ピコレーザーによるマルチパステクニックというものがあります✨
一つのしみに、PIHが起こりにくい出力で、複数回照射によりメラニンを壊していくのです。


しみ取り放題で、マルチパステクニックで全顔照射した時のお写真です📷
麻酔クリームを塗布してから施術をしますが、とっても痛いです(>_<)
そして、しみの周りが3日程度赤く腫れます。




当院の患者さまのお写真です📷
お写真のご提供を快諾いただきありがとうございます💓




Case2の患者さまは、実際には、シミ取り後に戻りじみ(PIH)が1ヶ月後に出てきました。
しかし、ハイドロキノンとトレチノインを外用することで、半年でPIHも消失し、きれいになりました。
その後も徐々に他のしみ取りをされました。


取り放題の患者さまのお写真です📷

 


全体がきれいになっていますね。
でも、少し、残るメラニンがあります。

下のお写真のように、大きなしみが取れた後、周りの小さなしみ、うすいしみがだいたいの方は気になってくるのです。
そこを、ピコスポットで全て攻めていくには、レーザーの出力を上げないといけないため、PIHのリスクが高くなってしまいます💣



そこで、ここからが、ピコトーニングの出番なのです✨✨



ピコスポットは、532nmという波長で浅めのメラニンに反応させて、衝撃波でメラニンを壊し、カサブタにしてきれいにしていきます。
うすくて反応しにくかったものや、少し深いところにあるメラニンは、1064nmという波長のピコトーニングという手法で繰り返し照射していくことで、徐々に取れていくのです。

何度も繰り返す施術はみなさま敬遠されるのですが、
PIHを出しにくく、お顔全体に均一に当てられて、くすみを改善できるピコトーニングはとてもいい治療です✨
ピコスポットやピコしみ取り放題は、点状に当てていくので、点と点の間の色むらがどうしても出ますしね💦



施術を繰り返すごとに、ゆっくり、メラニン顆粒が徐々に減っていきます。
お肌の調子を見ながら、当てる強さ(出力)も徐々に上げていきます。



当院のピコダブル(ピコしみ取り放題+ピコトーニング3回)の患者さまのお写真です📷
お写真提供をご快諾いただきありがとうございます💓




ピコダブルで、うすいくすみも最終的に改善し、均一にとてもきれいになりました💓
そして、ピコトーニングは、継続し続けると、メラニンに反応する時の衝撃波で真皮のコラーゲン生成も促すため、徐々にハリも出てきます。

講演では、その他、いろいろなお写真もお示ししながら、しみ治療についてみなさまに色々ご説明できたかと思います。





今回の講演に参加できなかった皆さまには、当院での診療で詳しくご説明いたします💓
ぜひご相談にいらしてくださいね👩‍⚕️🏥