名古屋市緑区の皮膚科、美容皮膚科

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手汗にお悩みの方へ💡手掌多汗症の新薬が発売されます❗️アポハイドローション

手汗でプリントが破れてしまう・・
手汗が多くて恥ずかしい思いをしたことがある・・
手汗で鉛筆がすべって持ちづらい・・・

そんな手汗のお悩みをお聞きすることがあります。


あすくりでは、多汗症治療として、
手汗、足汗、ワキ汗などの限局性局所多汗症の治療も、
全身性多汗症の治療にも対応しております🏥

特に、ワキ汗には保険適応の治療薬があり治療もしやすかったのですが、手汗・足汗の治療に保険適応の外用で効果的なものがありませんでした。


💠そこへ、手汗(原発性手掌多汗症)に、新薬の外用薬が発売されることとなりました‼️
まだ、この3月に製造販売承認されたばかりで、発売日は未定ですが、
おそらく5月末か6月ごろになるそうです。




これまで、原発性手掌多汗症の治療は塩化アルミニウム外用が最も推奨されてきました。



日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン」でも、
塩化アルミニウム外用が第一選択とされていますが、それ以外の有効な治療選択肢が少なかったのです。

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わき汗には、保険適応の『エクロックゲル』『ラピフォート』が処方できるようになり、
原発性腋窩多汗症の方に治療の選択肢が増えました

(👇エクロックゲルについてはこちら)
https://asuka-hifuka.com/2020/10/11/皮膚科学会・中部支部✏%EF%B8%8Fわき汗の新しい外用薬/


(👇ラピフォートについてはこちら)
https://asuka-hifuka.com/2022/05/22/わき汗に💦5-23よりラピフォートワイプが処方開始/


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多汗症の治療は、
『原発性局所多汗症診療ガイドライン』に基づいて治療をしており

🍀
手足の多汗症について第一選択は、塩化アルミニウムの外用 です。

あすか皮フ科クリニックでは10%と20%を作成しております。
こちらは保険適応がないため、自費にて(10%:1000円)(20%:1100円)です。
有効な治療法ではありますが、全ての方に効果があるわけではなく、また、かぶれてしまう方もいらっしゃいます。

 





🍀その他に手足多汗症に有効な治療法として、ガイドラインでは
イオントフォレーシスが推奨されています。



イオントフォレーシスは、
手足を水道水の入った容器の中に浸し、微弱な電流を流す方法で、陽極側で電気分解により生じた水素イオンが、汗の分泌部に作用して、発汗を抑えると考えられています。

塩化アルミニウム液外用の効果が不十分な場合にも治療可能です。

💎1回に15分程度。
💎保険適応の治療法で、1回660円(3割負担の方)
💎15歳以下の方は負担金はありません。
💎週に1〜2回の治療を繰り返します。

・強い痛みなどの苦痛はありません。わずかにピリピリした刺激はあります。
・代償性発汗など大きな副作用がありません。
・お子様から成人まで年齢に関係なく治療できます。

治療が適応かどうか、まず初回は診察が必要ですので、保険診療の診察をお受けください。
2回目以降は窓口でご予約をお取り致します。
手足を拭くためのタオルをご持参ください

(👇イオントフォレーシスについての過去のブログはこちら)
https://asuka-hifuka.com/2021/07/18/手足多汗症に🙌🦶イオントフォレーシス/



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その他の治療法として、
🍀ボトックス注射
🍀内視鏡的胸部神経遮断術(ETS):手の多汗のみ
 がありますが、

ボトックス注射は保険適応ではないこと、かなり疼痛を伴うこと、
ETSは、他の治療法で効果がない場合に適応となりますが、手のひら以外からの多汗という合併症があるため、慎重に検討する必要があります。

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ここへ、アポハイドローションが新たな治療選択肢として登場することとなり期待されています。

アポハイドローション20%(有効成分:オキシブチニン塩酸塩)は、日本初の保険適用の原発性手掌多汗症治療薬です✨
エクリン汗腺にあるムスカリン受容体に対して抗コリン作用により発汗を抑制します。

アポハイドが関係するのは主にエクリン腺です。

エクリン腺は交感神経によって支配されていますが、神経終末からはアセチルコリンが放出されているといった特殊な器官です。

アセチルコリンがエクリン腺のアセチルコリン受容体(ムスカリンM3受容体)に結合することで発汗が促進されていると考えられています。

アポハイドは、主にエクリン腺のムスカリンM3受容体を選択的に遮断する抗コリン薬です。

アセチルコリンが作用できなくなる結果、エクリン腺からの発汗が抑えられて原発性手掌多汗症の症状改善効果が得られるということです💡

 

 

手掌多汗症によるご本人のお悩みは、周りの人が思っているよりも深いことが多いです。
当院でも手の汗によりテストが濡れて破れてしまう、握手をする際に恥ずかしいなど、手汗にお困りの方から多くご相談をいただきますので、保険適用の薬剤が発売されるのは喜ばしいことです😊

また詳細が分かりましたら、お知らせしますね🏥