月曜日は月に1回の全体M TGでした✨
まず最初に勉強会です✏️
1つ目のテーマは、
💎再発性ヘルペスに備えるPIT療法について
こちらは、先日のブログでもお伝えしました。
口唇ヘルペスや性器ヘルペスはジュクジュクして気になるし、痛いのでつらいですね。
そして、何度も繰り返すので厄介です😢
🍀そこで、再発時に、誘引や再発の前兆が明らかな患者さんは、あらかじめ抗ウィルス薬を手元に持っておき、
前兆を感じたらすぐに内服すると発症を免れることができる治療があります。
これを、PIT療法(Patient Initiated Therapy)といいます。
このPIT療法には2種類の薬剤があり、それらの違いについて勉強しました✏️
①ファムビル
2019年よりファムビルでのPIT療法が承認されています
1)発症時
1日3回、1錠づつ、5日間内服
2)PIT療法 (次回のヘルペスの治療として)
前兆を感じたら6時間以内に4錠内服、12時間後にさらに4錠内服
②アメナリーフ
前兆を感じたら6時間以内に、6錠を1回のみきり
🍀1回内服で終わるというのも簡便で良い方法かと思います✨
🍀また、ファムビルのPIT療法は年に3回以上再発を繰り返す患者さまが対象ですが、アメナリーフのPIT療法にはその制限がありません✨
🍀さらにアメナリーフの良さは、ウィルスが増殖する初期段階で薬理作用を発揮します✊
勉強会ではちょっと詳しく・・・
ウィルスが増殖するときに、
感染細胞の核内でウィルスDNAが複製されて増殖していくのですが、
二重鎖のウィルスDNAは、ヘリカーゼ・プライマーゼ複合体により、一本鎖に解離され、DNA合成の起点となるRNAプライマーが合成されます。
DNAポリメラーゼにより、一本鎖となったDNAに相補的に塩基が付加されていき新たなDNAが合成されていきます
アメナリーフは、RNAプライマー合成を阻害するため、ウィルス増殖の初期段階でその増殖を阻害します
それに比べて、ファムビルなどの核酸類似体は、核酸と競合し、DNAの合成を阻害します。
一本鎖になった後に作用していくので、アメナリーフよりも遅い段階でその作用を及ぼします。
ウィルスのDNA合成の初期段階で効くのがアメナリーフであり、
よりしっかりウィルス増殖を防ぐことができます💡💡
アメナリーフのPIT療法の方に断然軍配が上がりそうですが、ファムビルのPIT療法より薬剤代が少し高くなります。
治療代の比較で、保険3割負担の方は、
💊アメナリーフによるPIT療法 約2300円
💊ファムビルによるPIT療法 約800円
この辺りも、診察でしっかりお伝えした上で、患者さまと一緒に薬剤の選定をしていきますのでご安心ください😀
👇過去のブログはこちら
https://asuka-hifuka.com/2023/02/28/繰り返すヘルペスの「✨再発に備える✨」pit療法/
🍀PITによる「備える治療」で、口唇ヘルペス、性器ヘルペスの再発への不安が軽減できます❗️どうぞご相談くださいね😉💓
2つ目のテーマは
💎乾癬性関節炎について
ところで皆さま、「乾癬」という皮膚疾患をご存知ですか?
一時期、ある芸能人が尋常性乾癬であることを公表し、メディアで取り上げられたことがありましたので、最近はご存知の方もいらっしゃると思います。
それでもまだ、「乾癬」=感染??というイメージを持たれる方もいて、
「え?それはうつるんですか?」と聞かれることもあります。
乾癬とは・・・
頭皮やひじ、ひざなど、外から刺激を受けやすい部位に、ゴワゴワする、赤い、銀白色のかさぶたのようなものがくっついてボロボロはがれる皮膚疾患です。
軽症の患者さまは、塗り薬や内服などで治療を行います。
また、エキシマライトなどを併用することがあります。
しかし、一部の患者さまでは、こうした治療では十分な効果が見られない方もいらっしゃいます。
また、乾癬性関節炎は関節破壊をきたしうるため、早期に生物学的製剤を導入する必要があります⚠️
乾癬性関節炎(PsA)
乾癬という皮膚疾患に合併し、関節や腱付着部、指に炎症をきたす病気です。
乾癬の10〜15%に発症すると言われています。
症状は
乾癬はその他生活習慣病と関連するということも知られています。
問題なのは、乾癬性関節炎の症状は、進行すると、関節破壊を起こし、非可逆的だということなのです❗️
ですので、乾癬を発症している患者さまに、少しでも、関節炎を疑う症状があれば早めに強い治療(生物学的製剤)をして関節変形を抑えなければなりません❗️
皮膚症状に遅れて、関節炎が発症してくる場合が多いので、
それらを皮膚科医である私たちが早めに察知し、早めに対応できることが重要なのです👀
診察のたびに、関節やかかとが痛くないですか?とお聞きします。
関節炎を発症する患者さまの爪には点状に凹みが見られることがありますので、乾癬患者さまには必ず爪を見せていただいております🔎
こうした知識をスタッフと共有することで、
診察についたスタッフからも、お声がけをして小さな変化を見逃さないようにできます💡
生物学的製剤の治療には慎重な管理が必要となるため、その導入は、日本皮膚科学会が認めた施設のみで開始することができます🏥
乾癬の研究はどんどん進んでおり、治療薬もかなり数がたくさんあります。
一部は自己注射ができる製剤があり、治療が安定してきた患者さまは通院頻度を減らすこともできるようになり、仕事をしながら治療を継続できるなど患者さまのQOLを改善することができます。
今回、勉強会では自己注射のできる生物学的製剤の一つ「コセンティクス」についても説明を受けました。
「コセンティクス」
乾癬の生物学的製剤です💉
自己注射が可能な製剤です。
大病院で導入された後、継続治療としての処方は当院でも可能です。
自己注射の際は、お腹にグッと押し当てて打ちます。
ペン型なので、針も直接見えず使いやすい形状です。
当院は、藤田医科大学病院と病診連携を取っておりますので、生物学的製剤の維持療法として自己注射に移行された患者さまの受け入れを行っていきます。
こうした高度な治療もご対応しておりますので、なかなか治らない乾癬の症状がある方は、一度ご相談くださいね🏥
👇その他、乾癬については、過去のブログもご覧ください。
https://asuka-hifuka.com/2022/06/24/リモート面談💻杉浦教授と👨⚕%EF%B8%8F病診連携に/